しがないオタクがラブライブ!と出会ってマイナスがゼロになる話 ③
※このブログはラブライブ!シリーズについて語るブログですが、作品のストーリーではなく個人の人生を軸にこの時この曲が、こんな展開があってという形で時系列が進みます。
オタクの自分語りはいらねーよ!という方はそっ閉じをお勧めします。
あれから4ヶ月
2015年6月
生まれてこの方映画館へ行くことは数える程しか無かった。
観たい作品は幾つもあったが、最寄りの劇場まで電車で2時間を越えるような環境でバイトも出来ない高校生の行動範囲は微々たるものだった。
それでも、今回だけは妥協できなかった。
「ラブライブ!The School Idol Movie」。
公開前PVから推しがセンターで踊るライブシーンに期待を膨らませていたことをよく覚えている。
田舎のコンビニにすら置かれていた凛ちゃんラーメンを意気揚々と買い込み口にしたあの瞬間も、まあよく…覚えている……
すっかりラブライブ!が身近なものになった矢先だった。
「大会が終わったら、μ'sはおしまいにします!」
TVアニメ全26話を観終えた時に薄々予感はあった。
だが、キャストによるリアルでの展開についてほとんど知識のなかった当時の自分は、それを本当の意味で理解できていなかった。
それ故なのか、はたまた終わりへ向かう物語を受け入れられていなかったのか、そこは定かではない。
ただ、その時に強く惹かれたのは劇場版前半、ニューヨークで展開されるストーリーだった。
それは涙よりも
先述の通り、当時の自分にとっては映画館すら身近なものではない。
映画館があるような規模の街、数分おきに通るバスに電車、見慣れない数の人—そんな(程度でも)知らない世界で、未知の世界に出会い楽しむμ'sを観ていた。
もともと地理、社会科全般が好きな性分ではあった。
だがこの日から、明確に感じるようになった。
自分の見ている世界は、きっとあまりにも小さい。
少し遠くへ来ただけで、地下を電車が走りビルがひしめき人は地元の人口の何倍いるだろう?
もっと遠くへ行けば泊まるホテルも分からないほど違う言葉に結んだ靴を放り投げる文化に見ず知らずの外国人へ「コンニチワァ!」と声をかけるほどフランクな人がいる。
きっと何も知らないんだ。
この小さい街の外には、あんなに知らないものが溢れている。
そしてラブライブ!に出会ってから知らないものにどんどん出会っている。
これからは何が待ってるんだろうか、スクフェスのストーリーで何かアニメでもあるのか?
今度の一番くじは近くのコンビニに売ってるかな?
そんな未知への期待と熱は、薄々感じる終わりの予感よりもずっと強く心に残っていた。
今までただ繰り返すだけの毎日から、明らかに何かが変わり出していた。